「ゆる体操」と聞いて、多くの方が思い浮かべるのは、たぶん「癒やし」や「リラックス」だと思います。もちろん、それもゆる体操の大切な魅力です。私自身、そうやって助けられてきた一人です。
でも、20年以上ゆる体操を続け、教えてきて、今はっきりと思うことがあります。
ゆるむことは、休むためだけのものではない。
体がゆるむことで、動きやすくなったり、感覚が研ぎ澄まされたり、それまでうまく使えていなかった力を発揮できたりする。
ゆるむほど、伸びる。
ここでいう「パフォーマンス」とは、競技成績だけを指すのではありません。その人が、その場面で、本来持っている力を発揮できること。私はそう考えています。
私は、そこに「ゆる」の大きな面白さがあると思っています。
「もっと頑張る」の先に、何があるか
何かを上達させたいとき、私たちはつい「もっと頑張ろう」「もっと力を入れよう」と考えます。
練習量を増やす。筋力をつける。気合いを入れる。
もちろん、それも大切です。
でも、本当に高いパフォーマンスを発揮している人を見ると、意外なほど余分な力が入っていないことがあります。
力んでいる体は、自由に動けません。
肩に力が入る。呼吸が浅くなる。動きがぎこちなくなる。
反対に、余分な力が抜けた体は、必要なときに、必要なところへ力を伝えやすくなります。
ゆる体操を学んでいると、赤ちゃんや一流のアスリートの身体に見られる、余分な力のなさに気づかされます。
たとえば、立ちはじめの赤ちゃん。
ユラユラして、一見とても不安定なのに、全身を柔らかく使っています。
スポーツでも、上手な人ほど驚くほど力みがなく、必要な瞬間に必要な力を発揮します。
私は長くゆる体操を続ける中で、この「余分な力を抜きながら、必要な力を発揮する」という身体のあり方に、ずっと面白さを感じてきました。
パフォーマンスが問われる瞬間は、競技だけじゃない
だとすれば、パフォーマンスが問われる瞬間は、競技の場面だけではありません。
- ゴルフのスイングで、余分な力が抜けたことで、いつもより気持ちよくクラブを振れる
- 20年ぶりのバスケットボールで、ゆるめてきた体がとっさに動いてくれる
- 出産という人生の大きな場面で、自分の体の感覚を感じながら、その瞬間に向き合う
- ヨガやピラティス、太極拳など、身体を学び、教えている人が、自分自身の体をもう一段深く理解する
一見バラバラに見えるこれらの出来事も、私の中では一本の線でつながっています。
それが、
「ゆるむことで、本来持っている力を発揮する」
ということです。
鹿屋体育大学女子バスケットボール部とゆる体操の話も、私自身の産前産後とゆる体操の話も、その一例です。
今あるものに、ゆるを足す
ゆる体操を始めるために、今までやってきたことを変える必要はありません。
むしろ私は、今好きで続けていること、すでに取り組んでいることに「ゆる」をプラスしてほしいと思っています。
ゴルフにも、ヨガにも、ピラティスにも、太極拳にも、ダンスにも、ランニングにも。そして、身体を教える仕事をしている方の指導にも。
それぞれの分野には、それぞれ積み重ねてきた技術や考え方があります。そこに「ゆるむ」という身体の使い方が加わったとき、今までとは違う感覚や、新しい可能性が見えてくるかもしれません。
「今あるものに、ゆるを足す。」
それこそが、私がこれから伝えていきたい「パフォーマンス with ゆる」です。
浅草ゆるスタジオが目指す場所
浅草ゆるスタジオで、まず大切にしているのは、心地よく体をゆるめることです。
体がほぐれて「ああ、気持ちいい」と感じること。日々の緊張から解放されて、ほっとすること。それは、これからも変わらず大切にしていきたいと思っています。
そして私は、その「心地よさ」のもう一歩先にある、身体の可能性も伝えていきたいと思っています。
スポーツをしている人。ヨガやピラティス、太極拳などを実践している人。身体を教える仕事をしている人。すでに大切にしているものがある人が、そこに「ゆる」を加えることで、今までとは違う身体の使い方に出会う。
浅草ゆるスタジオを、そんな場所にしていきたいと思っています。
パフォーマンス with ゆる
これからこのブログでは、ゴルフ、バスケットボール、ヨガ、ピラティス、太極拳、そして出産や子育てなど、さまざまな「○○ × ゆる」の物語を綴っていきます。
それぞれ違う分野の話に見えても、根っこにあるのは同じことです。
力を抜くことは、諦めることではありません。
すでに自分の中にある力を、余分な力で邪魔せず、もっと自然に発揮できるようにすること。
ゆるむほど、伸びる。
その面白さと可能性を、これから少しずつお伝えしていきたいと思います。
