ゆる体操のインストラクターとして、身体の構造や仕組みをずっと探求してきた。
50代になった今、学生時代とはまた違う身体との向き合い方があるんじゃないか——そんな興味もあって、ゴルフを始めてみた。
最初の1か月——「あれ、なんか褒められる」
始めてみると、これが意外と楽しかった。コーチにも「センスありますよ」と言ってもらえて、ちょっといい気分。身体の使い方を学んできた人間だし、もしかして向いてるかも、なんて思っていた。
2か月、3か月——「なかなか進まない」
ところが、そうはいかなかった。
伸びが止まって、なんだかしっくりこない時期が続く。コーチは同じことを何度も丁寧に教えてくれる。でも、ピンとこない。「なんか違う」がずっと続く。
自主練も始めた。でも手ごたえがない。練習場に行っては、首をかしげて帰る日々。
5か月目——「クラブを落とす」でスランプ脱出
転機は、友人のひとことだった。
「クラブを落とすイメージでやってみて」
半信半疑で試してみたら、何かが変わった。
次のレッスンでコーチに言われた。「随分変わりましたね」
そこから、身体研究が一気に深まっていった。
「沈んで、伸びあがる」——ずっとわからなかった言葉の正体
コーチにずっと言われ続けていた言葉がある。
「沈んで、伸びあがる」
わかったのは、下半身を意識し始めてから。
「沈む」の正体は、股関節だった。
右股関節を後ろに引く。右膝は曲げたままキープ。横に流れない。骨盤が正しい位置にはまって、エネルギーが逃げずにたまる。関節にエネルギーを収める感覚。バネを引いた状態。
「伸びあがる」の正体は、左足だった。
左足が地面を踏んで、ピンと伸びる。腕で振るんじゃない。左足が伸びた反力が体を通って、クラブまで届く。右の屈伸でため、左の伸展で放出。
腕は何もしない
体の中心に近いところが先に動いて、末端はついてくるだけ。
ゴルフも同じだった。
股関節 → 骨盤 → 胸郭 → 肩甲骨 → 腕 → クラブ。
腕は振るものじゃなくて、連鎖の末端として飛んでいくもの。
実際に打てたとき、腕には何も感じなかった。力が抜けていた。それが正解の感覚だった。
初心者が陥りやすい罠
遠くへ飛ばしたい → 腕でギュッと振る → 力む → 飛ばない。
これをずっとやっていた。
実は手にマメができたこともあって、グリップ握りすぎだと途中で気づいた。
飛距離のカギは腕じゃなくて、右股関節のため × 左足への鋭い切り替え。下半身が動力源で、腕はその結果としてついてくる。
どれだけ手に、腕に、肩に力が入っていたことか。。。
半年かかってわかったこと
体の仕組みを知っている人間でも、新しい動きの習得には時間がかかる。スランプもあった。
でも、身体観があると「なぜこの動きが効くのか」を言語化できる。それが次の上達への地図になる。
ゴルフもゆる体操も、からだと対話しながら続く。
